残業2





ガシャンとブラインドが鳴った。
明かりは二ヶ所しか点いておらず、薄暗いフロア。
その明かりに背を向ける形で、高崎は立っていた。
手をブラインドの下がった窓に置き。
その手の下でブラインドがカシャンカシャンと音を立てる。
隙間から夜の街が見える。
行き交う車、街灯に照らされた人の流れ。
「は……あ……」
熱い吐息がブラインド越しに窓ガラスを曇らせる。
夜目にも明るい白いワイシャツは大きくはだけられ、背中が半ばまで露わになっている。
下肢は下着ごとスラックスを膝までずり下げられ。
「あ……う……」
閉じられない唇から喘ぎが零れる。
背後から秘所を暴かれては、なす術なく震えているしかできない。
長い指を根本まで咥えさせられ、内部を引っ掻かれる。
「ああ……っ」
こりりと内側のしこりを擦られて、一層高い声が洩れた。
「高崎、気持ちいい?」
耳の側で低く囁かれた。その言葉と吐息に体が震える。
「んっ、……うん……っ」
「いいよね。イイって顔してる。……その顔、外から見えちゃうかもね」
「!」
宇都宮の言葉にはっと気付く。
ブラインドの隙間から覗く夜の街。
「い、いや……ああっ!」
朱に染まった顔で振り向くと同時に差し入れられた指がぐりっと大きく円を描いた。
「そんなに締め付けられると痛いよ、高崎」
「う、うつのみやぁ……も、もう……っ」
先程から開きっ放しの唇の端から唾液が溢れて顎を伝う。
「もう、何?」
宇都宮は高崎を苛んでいた指を抜いてしまう。
「あ……」
思わず名残惜しげな声が洩れてしまい、高崎は顔を赤らめた。
「可愛いね、高崎」
宇都宮の指が入り口をなぞると、ふるふると震える。
「宇都宮……あ、遊ぶな……っ」
「高崎があんまり可愛いから」
つぷ、と指を差し入れる。浅いところで円を描くように掻き回す。
「ふあっ、あ、あ……」
途端に甘い声が零れる。
「う、宇都宮……遊んでない、で……っ」
「我慢できない?こっちもこんなになってるしね」
「はうっ!」
前を握られて、びくりと肩を竦めた。
「こんなに濡らしちゃって……」
二度三度擦られる。濡れた音が静かな社内に響いた。
「ちょっと待ってて」
「……何?」
離れた宇都宮を不安げに振り返る。
宇都宮は自分のデスクに近寄り、引き出しを開けた。そこからあるものを出した。
「汚すと、後が大変だからね」
ビニールをぴりりと破いて中身を取り出す。そして、勃ち上がった高崎自身に装着した。
「な、何で、会社にゴムなんか……」
呆れたような高崎の口調。
「こんなこともあるかと思ってね」
そう言って、うなじに口づける。
「ん……」
敏感に震える身体。
「イッていいよ、高崎」
長い指が高崎の中に入り込む。
「や、やぁ……っ」
「嫌なの?」
前立腺を擦られると、膝が震えて立っているのもつらくなる。
ガシャガシャとブラインドが音を立てる。
「ゆ、指じゃやだ……宇都宮が…欲し……」
「!」
宇都宮は軽く目を瞠った。
「可愛いことを言ってくれるね」
「あん……」
熱い体内から指を抜くと、猛った自身を取り出した。
「いくよ、高崎」
ひたりと熟れた入口に押し当てる。
「は、早く……来て……っ」
「高崎」
ぐっと肉棒を押し込んだ。
熱い襞に包まれる感触。
「高崎の中、熱い……」
「お、お前も……っ、あつ……っ」
求めていた質量を得て、高崎が喘ぐ。
一旦奥まで差し入れてから、先端を残して引き抜く。
「あ、あ……」
「高崎、手加減できない、から」
「うつのみ……、あああっ……」
早いピッチで抜き差しを繰り返され、高崎が啼いた。
高崎が手をついたブラインドが揺れる。肉と肉の当たる音が響く。
「やあっ、あっ、ああん……っ」
硬く太いものに貫かれて、快感が背筋を駆け上る。
「い、いい……っ、イク……っ」
「イこう、高崎」
言って、宇都宮は高崎の最奥を突いた。
「あ、ああ……っ!」
一際高い声を上げて、高崎は頂点を究めた。
「んっ」
その勢いで締め付けられて、宇都宮も高崎の体内に欲望を放った。
「あ……」
高崎は深いところで熱い体液を受け止める。
「悦かったよ、高崎……」
頬に軽くキスして、宇都宮は高崎から自身を引き抜いた。
「はあ……はあ……」
息を弾ませた高崎はその場に座り込んだ。
「汚れるよ、高崎」
「……誰のせいだっての」
まだ潤んだ瞳で宇都宮を見上げる。
「何食べようか」
宇都宮は話題を変えた。
「お前、切り替え早すぎ」
高崎は呆れた表情をした。
「食べたら、帰って続きをしよう」
「って、まだヤる気かよ!」
軽く睨んだ高崎に、宇都宮は笑って手を差し伸べた。





ブラインドに手をついて立ちバックが書きたかったんです。
こんな残業してる同僚がいたら、嫌です(それ言っちゃ…)



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